頭部打撲で気をつけるべき慢性硬膜下血腫について
慢性硬膜下血腫とは
少しづつ出血した血液が1~2ヶ月くらいかけて頭の中に溜まっていき
血液のかたまりが、脳を圧迫している状態です
CT画像で見ると
このような状態です
慢性硬膜下血腫と急性硬膜下血腫の違い
同じように
頭の中に血液が溜まって脳を圧迫する
急性硬膜下血腫があります
急性硬膜下血腫は強く頭を打った場合に起こることが多く
通常受傷直後から意識障害が見られることが多いです。
受傷すぐや、短時間で頭の中に出血が溜まっていき
急激に脳が圧迫されていきます。
ここでは
慢性硬膜下血腫について述べていきます
慢性硬膜下血腫の原因
頭を打ったとき、気をつけることがあります。
特に、高齢者の場合に気をつけなければいけない事です。
高齢者に多いのが慢性硬膜下血腫です
転んで頭を打ったり、どこかに頭をぶつけたりした時に
症状も軽くて、病院に行かなかったり
病院で見てもらって、CTを撮影してもらって異常がなくても
高齢者の場合には、十分気をつけなければいけません。
忘れてしまうような、軽く頭をぶつけたりした後
通常1~2ヶ月かけて血液が徐々に頭の中に溜まっていきます
頭部への打撲がなくても起こることがあります
慢性硬膜下血腫になりやすいのは?
慢性硬膜下血腫になりやすい人ですが
圧倒的に、高齢者に起こりやすいです。
お酒を多く飲む人
高血圧の人
血液が止まりにくくなる薬(抗凝固薬)を服用されていると
慢性硬膜下血腫のリスクが高くなります
慢性硬膜下血腫の症状
慢性硬膜下血腫の症状ですが
頭痛
物忘れ
認知症症状などの精神症状が進んできた
失禁
半身に力が入らない
歩行障害
などの症状を呈する事が多いです。
個人的に、病院での経験で見てみると
頭痛を訴えることや
いつの間にか、歩くときにふらつきが見られるようになった
などが多いような気がします。
少しずつ症状が出てきます。
慢性硬膜下血腫の診断
慢性硬膜下血腫の診断は、頭部CTを撮影することで可能です。
CT画像で診断できます
【正常の脳のCTと慢性硬膜下血腫のCT】
CT画像で、血腫に脳が圧排されているのがわかると思います
これくらい脳が血の塊に圧排されていても、
本人はフラフラしながらでも歩いてました。
さすがにCT室へは、車椅子でご案内しましたが
撮影してみて、びっくりしました。
[adsense]
慢性硬膜下血腫の治療法
慢性硬膜下血腫の治療法ですが
小血腫例や無症候例などでは血腫内容液に対して浸透圧利尿剤を用いた薬物療法を行う場合があります。
手術適応になるのは
血腫が1cm以上の厚さ
血腫による神経症状を呈する場合
意識障害・神経症状が急速に進行する例
以上の場合には、緊急開頭血腫除去術が行われます
このCT画像では
血腫の厚さが2cmありますので、緊急開頭血腫除去術の適応になりますので
救急車にて、脳外科病院に紹介となりました。
血腫を除去さえすれば、
症状は、劇的に良くなります。
手術は、通常は局所麻酔で行なわれます。
頭皮を切開し、頭蓋骨に直径約1cm の穴を開けます。
さらに脳を覆う硬膜を切り開くと溜まった血液が流れ出てきます。
最後に
慢性硬膜下血腫の説明をした動画リンクです
【慢性硬膜下血腫の解説動画】
(北日本放送 KNB WEBテレビ サイト)
最後までお読み頂きありがとうございました
Thanks!
コメント