[腹部造影CT検査を受ける事になった時の注意点」
病院で医者に、「精密検査を受けてください・・・」といわれ
腹部造影CT検査を受けることになった時
どんな検査か不安になりますよね・・・。
今から、そんな不安を解消していきたいと思います。
「精密検査で腹部造影CTを受けるように言われた」
病院を受診すると、精密検査で 腹部造影CT検査を受けるように言われることがあります。
腹部CT検査には 単純CTと造影CTがあり、造影CTの方が病変部分が良くわかります。
例えば、肝臓腫瘍の診断で、単純CTでは、腫瘍が存在するかしないのかの区別はつきますが、その腫瘍が良性なのか悪性(がん)なのかの判定が難しい場合が多いです。
しかし、造影CTを行うことによって、腫瘍の鑑別が可能になります。
以上の理由にて、通常の精密検査では、造影CTを行うことになります。
「腹部造影CT検査を受けるときの注意点」
通常は食事抜きで検査を行います。
食事を抜く理由は、
造影剤の副作用で「吐き気」が出る場合があるので、もし嘔吐した時に、嘔吐物が気道を塞いだりすることを防ぐため。
食事を摂ると、胆嚢が収縮してわかりずらくなる・・・などの理由です。
絶食にせずに、軽食で検査を行う場合もあります。
しかし、ここで重要なのは、造影CT検査だけの場合には、水分は制限しないということです。
逆に水分は取っておく事が大切です。
水分とは、お茶や水などです、ジュース・コーヒーなどではありません。
「朝は食べないで来院して下さい」といわれて
飲んだり食べたりできないと思って、喉がカラカラで検査を受けられる方もおられますが、これは良くありません。
「造影CTの副作用」
造影CT検査を受けるにあたっては、アレルギーの有無や、今まで造影CTを受けたことがあるか・・・などを聞かれ
造影剤の副作用・危険性について説明を受けて、検査の承諾書にサインをされたと思います。
統計上は、造影剤の副作用で
25,000人に1人がアナフィラキシーショックという重篤な副作用が発生し
40000人に1人が死亡すると言われています。
副作用には、軽いものから重篤なものがあって
くしゃみ・痒み・湿疹・吐き気などや、血圧低下や動悸などが現れる場合があります。
「造影CT前の処置」
100ccの生理食塩水で点滴をします。
これは、検査時に造影剤を注入する機械と点滴ラインをつなぐために点滴をとります。
注射針は通常、22G耐圧留置針というもので、安全に造影検査を行うために、プラスチックの針で血管内に留置します。
以下の画像のようなしくみになっています。
一旦刺した後に、針(内筒)を抜きながら外筒を推し進めます。
血管内に柔らかいプラスチックの針が留置されますので、これに点滴ルートをつなぎます。
この、特殊な針を使用する事によって、造影剤が血管外に漏れにくくなります。
自動注入器で造影剤を安全に注入するために使用します。
「造影CT検査開始」
CTの検査台に寝て、両手をバンザイした体制で検査が始まります。
まず、単純CTを撮影します。
その後に、造影剤注入器に点滴ルートを繋ぎ変えます。
造影剤の注入スピードは、検査によっても違いますが、腹部造影CT検査では 3ml/秒 です。
造影剤は100ccを使いますので、全量が30秒くらいで体内に注射されることになります。
造影の準備ができたら、放射線技師がCT操作室から造影剤注入ボタンを作動させて、造影検査が始まります。
造影剤は急速で注入されますので、看護師が血管外のもれていないか・・・患者さんの様子に変わりはないか・・・など・・・注意深く観察します。
「造影剤は熱い!!!」
造影剤が静脈から注射されると、腕や首、胸部・腹部などがポカポカとした熱い感じになります。
個人差もありますが、結構熱く感じられる方も多いです。
よく、オシッコを漏らしたような感じになるとも言われます。
この「熱い感じ」は副作用ではなく、造影剤の体感的な作用であり心配はいりませんし、徐々に熱さも和らいできます。
1回から3回程度の息止があって、5分ほどで造影検査は終了します。
CT室に入ってから出るまでの時間は10分前後です。
「造影剤は早めに体外へ出そう!」
注射された造影剤は、尿になって膀胱へ溜まってきます。
造影剤はあくまでも人体にとっては異物なので、検査終了後には出来るだけ早く体外に出したほうが良いです。
なので、検査終了後には、多めに水分を取り、こまめにトイレに行って排尿しましよう。
最後にもう一つ大事なことがあります。
造影剤の副作用に「遅発性の副作用」があります。
通常の造影検査時に副作用がでやすいのは、造影剤の注入中が一番多く、次に造影剤注入後5分以内が多いです。
無事に検査が終わっても、まれに24時間以内に副作用がでることもありますので、当日は激しい運動は控えたほうがよいでしょう。
また、何か体調がおかしいと感じたら、検査を受けた病院に電話をして下さい。
では、検査の結果が良いことを祈っています!
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